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活躍する卒業生たちメッセージ

教室 学んでいた頃 相良 敦子(48期生・脚本家)

相良敦子先生
相良敦子先生

それは、就職活動に失敗し、ようやく辿りついた小さな美術館で働いていた頃。その先の道に、ただただ迷っていた私に、親しい先輩が聞いてきました。

「で、ほんとは一体、 何が一番したいの?

思い返したのは、そこまでの青春の数年間。高校時代はバリバリの演劇少女だった私が、ある古代史を扱ったテレビドラマに影響されて、女考古学者になるんだ!と方向転換、大学の4年間を発掘三昧で過ごした御蔭で、やりたいことばかり山ほど抱えた青春の迷子になっていました。おまけにその頃には、ろう者の友人の劇団創りにも参加して手話通訳の活動までしていたんです。ほんとうはね、と私は先輩に答えていました。「たくさんの人たちが生きてること自体が面白くてしかたないのかも。しかも、みんなが会話して暮らして人生や歴史や物語が出来上がっているってことが何よりも面白い。やっぱりお芝居の世界がいいのかな、でも今更なにができるかな・・・

すると、 その先輩 は、いとも簡単に言ってくれました。 「じゃ、脚本家になれば!」

目から鱗が落ちた私は、翌週には六本木の放送作家教室に足を踏み入れていたのです。

しかし、当然ながら、教室に入ったからといってすぐに脚本家になれるわけじゃありません。それに気づくや、今度は何を思ったか、私はいきなり美術館までやめて番組制作会社に転職してしまったのです。はっきりいって本末転倒でした。夜も昼もない現場生活で、せっかく入学した教室へ通うことすら儘ならなくなってしまったんですから。それでも、夜中にどうにか書き続けた習作を、仕事の合間にあっちの喫茶店こっちの劇場でとゼミの先生を捕まえては読んでもらうという作戦にでた私。いわば幽霊生徒のそんな迷惑千万なわがままを、なんと恩師も嫌な顔ひとつせず受けいれてくださり、ありがたいことに、私はその後も数だけは立派に習作を書き続け、やがてコンクールにも入賞することができたのでした・・・・。

今、プロとして、正直いろんなストレスでくじけそうになることもたくさんあります。でも、あの頃の自分とあの大らかな教室の励ましを思うと、なんだか妙に力が湧いてくるのです。これからもたくさんの皆さんに、ぜひ、六本木の教室で、新しい人生と出会ってみてほしい。道を開拓している日々、それこそが、なによりも素敵な時間なのだから。

作品に、NHK「七子と七生~姉と弟になれる日」(芸術祭優秀賞)、「バッテリー」、連続テレビ小説「ウェルかめ」、「シングルマザーズ」、フジ「奇跡の動物園~旭山動物園物語」など。

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